「マトン」って知っていますか?
私は福島県只見町の出身です。只見町は同じ福島県内でも、福島大学がある福島市から車で3時間ほどかかる、大自然のなかにある私の故郷です。
只見町では家庭で焼き肉をするときに、よそではあまり見かけない、珍しい肉を焼くことが多いです。それが、今回紹介する「マトン」と呼ばれる羊肉です。
通常焼き肉で食べられる一般的な羊肉は「ラム」肉という、生まれてから1年以内の子羊のお肉です。反対に、この「マトン」といわれるのは、生後1年以上の大人のお肉を指すそうです。
地元では、「マトン」が広く一般的に焼き肉用のお肉として振る舞われています。自分も子どもの時は、このマトンが普通の焼き肉用の肉であると思っていました。なので、只見町を出て遠出し、焼き肉店に寄った際に、普段自分たちが食べている「マトン」がメニュー表に載っていなかったことに驚いた記憶があります。
ラム肉は若い羊からとれるために、羊独特の匂いやクセが無く、食べやすい肉であるのに対して、マトンは、羊独特の匂いやクセのようなものがあることが特徴で、その臭みを取るために、地元ではタレで味を付けて販売されているのが普通でした。
マトン肉をたべるのが珍しいのか、このマトンは地元を代表するグルメにもなっていて、味付けマトンと新鮮なキャベツをピタパンで挟んだ「マトンケバブ」が町を代表するグルメにもなっています。町のお祭りの出店としておいてあったり、カフェのメニュー表にもあったりと、地元では誰もが知っていて愛されているB級グルメです。自分もお祭りに行った際には必ずと言って良いほど頼みますし、ケバブにかかっている甘酸っぱいドレッシングがアクセントとなって、クセになるおいしさでした。福島の友人でもこの「マトンケバブ」を知っている人は少ないのですが、わが町只見に来た際には、是非食べてもらいたい味です。
そんな地元住民から愛されているマトンも年々価格が高くなってきており、昔は牛肉や豚肉、鶏肉よりも安かったらしいのですが、自分が小学生の頃には鶏肉よりも高くなり、高校の時には豚肉よりも高く、牛肉と変わらないほどにまで高騰しているようでした。普段焼き肉用の肉を買ってきてくれていたのがおじいちゃんとおばあちゃんだったので、二人は焼き肉をするときはいつも、「まーたマトンが高くなってた、今度は違う肉買うか」なんてぼやいていました。ですが、毎回必ず焼き肉にはマトンを焼いているのが面白かったです。そして、少し値段が高くなっても毎回マトンを買って来てくれるおじいちゃんとおばあちゃんに感謝しつつ食べるマトンが私は大好きでした。
Illustration:Misato Fukuda
不為人知的家鄉美食
知道「Maton羊肉」嗎?我來自福島縣只見町。大自然裡的只見町是我的故鄉,距離從福島大學所在的福島市約3個鐘頭的車程,即使在同一個福島縣。
在只見町在家烤肉時,通常烤肉在外面的烤肉店很少見的稀少肉。也就是這次介紹的叫「Maton」的羊肉。
常見的羊肉通常和烤肉一起吃的是「Ramu」的羊肉,也就是羔羊一歲以內的肉。相反,據說這種「Maton」是指一歲以上成年羊的肉。
在當地「Maton」被廣泛用作烤肉時的肉。當我還是個小孩的時候,我以為這羊肉是烤肉時的肉,以為在這裡是普通的烤肉。所以當我離開只見町去一家烤肉店時,記得我很驚訝的我們平常吃的「Maton」沒有出現在菜單上。
由於「Ramu」取自幼羊,沒有羊騷味易於食用,而「Maton」的特色就是羊騷味,當地用醃醬汁出售。
或許是難得吃到「Maton」的羊肉,這種「Maton」的羊肉已經成為當地美食的代表,而調味羊肉和新鮮的高麗菜夾在中間的「Maton的土耳其烤肉」也成為了町民的美食代表。它是當地人都所知又喜愛的B級美食。因為它被用在町內的祭典的露天商店的餐點,也是咖啡廳的菜單表裡。每當我去參加祭典時,我幾乎每次一定要買它來吃,土耳其烤肉裡的酸甜調料更突出了味道。福島的年輕人都不知道這個「土耳其烤肉」,但來到我們的只見町時,請務必一定要嚐嚐。
深受當地人喜愛的Maton的價格一年比一年高,以前好像比牛肉,豬肉,雞肉便宜,但上小學的時候比雞肉還要貴,而我上高中的時候,比豬肉更貴,好像和牛肉一樣貴。爺爺奶奶平時烤肉時都負責買肉的,所以每次買烤肉回來時都說:「又 又Maton又漲價了,下一次要不要換買別的肉?喃喃自語的唸著。然而,總是為烤肉的羊肉吵吵嚷嚷著很有趣。同時也要感謝雖然價格有點貴不過感謝爺爺奶奶每次都買我最喜歡的Maton給我享受。
Illustration:Misato Fukuda