私が考える田舎の良さとは 

 

 私は福島県南会津町出身です。南会津町は福島県の中でも「農山村」、それもかなりの農山村に分類される地域です。見渡す限り山に囲まれています。テレビでは、人間に関するニュースよりも野生動物出没のニュースの方が多い時もあります。そんなところ出身の私の生活を聞いてください。 

私の家では、春から夏にかけて山菜採りに忙しくなります。秋になるときのこ採りや栗拾いに忙しくなります。冬になると雪は深く、油断すると自分の背丈よりも高く雪が積もる時があります。でもどんなに雪が降っても大丈夫です。この地域に住んでいる若者にとっては、「雪かき」は小さい頃からの「生活の一部」なので。おそらく10歳にもなれば、ほとんどの子は「雪かきプロ」に成長しています。 

 皆さんの趣味はなんですか?私の場合、それは「梅干し作り」だったり「チンキ作り」だったりします。梅干しやチンキを手作りするんです。梅干しやチンキって、聞いたことがありますか? 

まず「梅干し作り」は梅を収穫するところから始めます。春から夏に季節が移り行くころが梅の収穫時期です。梅は青い状態で収穫します。収穫してからヘタ取り作業をし、梅が熟しきらないうちに塩漬けを開始します。2週間くらい漬けたら赤紫蘇を入れて、3週間くらい待ちます。7月下旬になって梅雨が明けた頃、ついに梅干しちゃん達を太陽の下で天日干しできるようになります。この天日干しの工程が私は一番好きです。梅干し一人一人の顔を見ながら干してあげられるからです。朝4時や5時に起きて、陽が登ったらすかさず梅干しちゃん達を干します。夕方になったら急いで樽に戻し、次の日その次の日34日続けて作業します。この作業している時が人生で一番幸せかもしれません。 

 もちろん今年も梅干し作りをしました。完成した梅干しは、地球が終わっても元気に残っているような「しょっぱい」出来上がりとなりましたが(塩が多すぎました…)、私としては大満足です。梅干し作りの季節が来年またくることが、今から楽しみです。 

 さて皆さん、「チンキ」は知っていますか?植物の種や薬草、花などをアルコール漬けにすると、化粧水などに使える魔法の液体ができるんですよ。これが「チンキ」です。 

 私の実家の庭にはドクダミが毎年すごい量で出現します。そして、我が家では、このドクダミの季節を毎年楽しみにしています。 

 子供時代、大陸の方に住んでいた香港人の母は、このドクダミの茎を炒め物や醤油酢漬けにして食べていました。その時代の中国では食料が配給制だったそうですが、配給は家族全員が満足できるような量ではないので、庭で鶏を飼ったり、山や川に行って食料を調達しなければなりませんでした。その時のご馳走のひとつがドクダミだったんです。現在、欲しいものはなんでも揃っている日本に住んでいる母ですが、やっぱり自分で育てた野菜や、庭で採れた野草、山で採れた山菜を食べることが何よりのご馳走だと言っています。そして変わらず、我が家の食卓にはドクダミが出てくるのです。 

 こうして、ドクダミは私にとっても子供の頃からの生活の一部となりました。ちなみに、茎は食料にしますが、葉っぱと花は食べません。ですから、私はこれらの部分を「チンキ」に使っています。開花する前の蕾や花粉の部分が美容に効果があるそうです。アルコールはホワイトリカーとか焼酎とかが最適だそうですが、今年は地元の日本酒で作ってみました。米のせいで発酵が進んでしまうのか結構匂います。が、効果は最高です。そして、今年は市販の化粧水をほぼ使っていません。経済的にも嬉しいですが、自分の庭の植物を使って何かを作り出せる喜びが何よりも大きいですし、心が豊かになります。 

 

 田舎に住んでいると不便だとか何もないだとか、そういう声が聞こえてきます。確かに、車がないと大変ですし、病院だって近くにありません。不便なのは事実だと思います。ですが、少なくとも私たち家族にとってはこの不便な暮らしだからこそ、自分たちで工夫して楽しく生きていける、心の豊かさを保って生きていける大切な場所になっています。 

 

Illustration:Misato Fukuda

我覺得農村有什麼好處 

 我來自福島縣的南會津町。南會津町是福島縣的「農家村」,也被歸類為相當的農家村。一望無際的群山環境。有時,電視上的野生動物出沒新聞多於人類的新聞。請在這裡的地方聆聽我的生活。 

在我家,從春天到夏天,我都在忙著採摘可食用的野生山菜。秋天忙著採蘑菇,採栗子。冬天,雪很深,一不小心,可能會比大人的身高更高。但不管下多大的雪,沒關係喔。對於生活在這個地區的年輕人來說,「鏟雪」從小就是「生活的一部分」,所以也許到了10歲左右,大多數的孩子已經成長為「鏟雪高手」。 

 各位的興趣是什麼?就我而言,興趣是「醃梅子」或者「製作酊劑」。我手工製作「醃梅子」和「酊劑」有聽過醃梅子和酊劑嗎? 

首先,「梅子製作」從收穫梅子開始。春夏交替之時,正是梅子完全成熟之前開始釀製。浸泡兩週左右後,加入紫蘇,等待三週左右。七月下旬雨季結束後,終於可以在陽光下曬乾梅子了。我最喜歡這個曬乾的過程。這是因為可以一邊看著每個梅子的臉一邊擦乾梅子。我早上4點或5點起床,太陽一升起就把梅子醬擦乾。晚上,趕緊放回桶的工作,第一天,第二天,第三天,連續三四天。這可能是我一生中最快樂的時光。 

 當然,今年我也做了醃梅子。完成的梅子很「SHOPPAI」(鹽太多,即使地球毀滅後似乎仍然保持健康的感覺,我很滿意。期待著明年再次可以製作醃梅子的季節到來。 

 對了,大家知道「酊劑」嗎?如果將植物種子,藥草,花卉等浸泡在酒精中,可以製成一種神奇的液體,可以用作化妝水乳液。這就是「酊劑」。 

 魚腥草每年都大量出現在我父母家的庭院裡。而在我的家裡,我每年都期待著這個魚腥草的季節。 

 小時候,一位生活在大陸的香港媽媽,常吃這種魚腥草,用炒菜或醬油醋調味。那時候的中國是發糧的,但是發不夠全家人吃,就得在庭院裡養雞,或者去山里上山找食糧。當時的款待之一是魚腥草。目前,媽媽住在日本,想要什麼都有,但畢竟吃自己種的蔬菜,庭院裡的野草,山里的山菜,才是最好的享受而且,像往常一樣,魚腥草還出現在我家的餐桌上。 

 就這樣,魚腥草成了我的童年生活的一部分。順便說一句,莖被用作食物,但葉子和花不被吃掉。所以我將這些部分用於「酊劑」。據說開花前的花蕾和花粉對美容有效。似乎白酒和燒酒是最好的酒精,但今年我用當地的地酒做的。因為用白米,聞起來像是在發酵。不過效果最好。今年,我都沒有使用任何商業化妝保養品。在經濟上很開心,用我家庭院裡的植物創造一些東西的樂趣比什麼都重要,讓我感到心滿意足地。 

  聽人說住在鄉下不方便或者什麼都沒有。當然,沒有車就很難了,而且附近也沒有醫院。我認為這是一個不方便也是事實。然而,至少對於我們的家庭來說,這種不便的生活使它成為一個重要的地方,同時保持了我們的內心充滿著豐富的力量。 

 

Illustration:Misato Fukuda