こちら5合目、応答せよ!〜までいな山の登りかた〜

 山間の高原に広がる美しい村、飯舘。
時に厳しい高地の自然と向き合い、村民同士が支え合うことを当たり前に、人々は「までい」な暮らしを育み、自らの目指す村づくりに励んできました。

 そんな村を東日本大震災が襲ったのは13年前のこと。原発事故の影響で、これまで紡いできた暮らしを置き去りに、全村避難を余儀なくされました。

 それでも、それまでの暮らしやまでいな村づくりへの想いがゼロになったわけではありません。
 全村避難が始まろうとしていたそのとき、ある村民がこう話していました。

——「村づくりは8合目、9合目まで来ていたんだ。放射能汚染や避難があったって、これまで積み重ねてきたものはゼロになりはしない。5合目からの再出発だ」

 これまでの村づくりの理念、それを支えた人々、村の伝統や手業。

 村が決して失わなかったものから始め、復興の高みに向けて歩み続ける人たちがいます。みなさんにも、私たちと一緒にこの「までい」な山に登ってほしい。

 村民、移住者、村に関わる大学生。
それぞれが考える「飯舘村の暮らし」を体験できるプログラムを用意しました。

 復興までの山の登り方はひとそれぞれ。 村の人もそうでない人も。若い人も、人生を積み重ねた人も。 ゆっくりしたり、寄り道したり。丁寧に、時にはかっこよく。

 「こちら5合目、応答せよ!」——やまびこの声にこたえながら、楽しく山を登ってください。

一般財団法人 飯舘までい文化事業団
福島大学行政政策学類 大黒ゼミ

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